地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『マラドーナ(Maradona by Kusturica)』(エミール・クストリッツァ/2008/スペイン、フランス)


サッカーはぜんぜん詳しくありません。マラドーナは知っててもマラドーナのすごさなんて分かってない。でもクストリッツァの撮ったマラドーナのドキュメンタリーなんて聞いただけでわくわくします。2005年から撮影されその間にマラドーナが死にそうになったりしてようやく2007年に完成した作品。Wカップでの世紀のゴールが繰り返し流され、身体には彫られたカストロやゲバラ、カストロのためなら死ねると言い、ブッシュを批判し、民衆からの熱狂的な支持、コカイン中毒になったり、アルゼンチンの英雄であり革命家でありひとりの人間として強さも弱さもある正直で愛すべき人物。


しかしマラドーナを神として崇拝するマラドーナ教の人々の様子も盲目的でおもしろい。結婚式までしちゃう!調べてみたら、マラドーナ教の洗礼は吊るされたサッカーボールを左手で叩くとか、マラドーナの誕生日の10月30日には「神の手」教会でクリスマスがあり、集まった人達は「メリー・マラドーナ!」と言い合うんだそうです。


マラドーナのドキュメンタリーとしては後にも先にもきっとこれがナンバーワンだと思います。