地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『ジプシー・キャラバン(When the Road Bends: Tales of a Gypsy Caravan)』(ジャスミン・デラル/2006/アメリカ)

ジプシー(ロマ)音楽のルーツを持つ5つのバンドの北米ツアーに密着した音楽ドキュメンタリー。クストリッツァやガトリフの映画でのロマ音楽くらいしか分からないけれど、ステージやバス移動の映像の合間に挿入されるルーマニアのちいさな村やエスマの47人もの子どもを引き取って育てた話、息子の結婚式の様子などの映像がおもしろかったです。なかでもみんなが嘆き悲しみ、夜通し音楽が鳴りやまない、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの最長老ニコラエの葬儀のシーンは印象強く心に残ります。悲しみも喜びも全部音楽で表現してしまう、素直で力強くて自分のルーツに誇りを持つ愛すべき人柄のロマの人々が魅力的な映画。

ジプシー・キャラバン [DVD]

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