地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


ジョン・ケージ 音のワークショップ “cartridge music”(1962)


ジョン・ケージ 音のワークショップ “cartridge music”(1962)開催!!■
沈黙の楽曲『四分三十三秒』 で知られるアメリカの作曲家ジョン・ケージ(1912〜1992) は、偶然や不確定な要素を用いるなど様々な実験的手法を音楽に招き入れることで、「音」と「音楽」との間に横たわる広大な空間を私たちに開示しました。また様々に閉ざされた世界の相互浸透と自我の開放、支配なき社会の可能性などについて飽くことなく言及する思索家でもありました。
この度のワークショップでは、ケージが1962年に作曲した『カートリッジ・ミュージック』を取り上げます。楽譜に書かれたものとしては、おそらく世界初のライブ・エレクトロニック・ミュージックです。
標題にある「カートリッジ」とは、当時普及していたレコード盤の音溝を走る再生針の振動を音声信号に変換する、電気式蓄音機の部品を指します。「再生専用」に設計された部品を「ライブ」な音楽のために利用する、ここにケージの逆説的な姿勢が感じられます。
楽譜は五線譜に音符を記する従来のものではなく、図形や図表などを組み合わせた“図形楽譜”として作成されています。演奏者は各自、数種類の図形が印刷された透明フィルムなどを任意に重ね合わせて楽譜を読み取り、それぞれに異なる演奏の「手がかり」をつかみます。その「手がかり」をもって演奏者全員が一つの空間で合奏するとき、この音楽の一度限りの全容が現れるのです。
ワークショップはケージの仕事についての簡略な紹介から始まり、楽譜の読み取りと機材の操作、演奏に至るまでの行程を三日間で行います。このワークショップを通して、私たちのまわりにある「音」と「音楽」の間にある結びつきや隔たりを考えてみたいと思います。
[日時]2008年7月19日(土)〜 21日(月・祝) 13:00〜17:00
[講師]村井啓哲 , ニシジマ・アツシ
★ 最終日21日、 15:00〜 ワークショップ参加者の演奏による一般公開演奏会を行います。聴講は無料です、ぜひお越しください。
[会場]京都造形芸術大学 人間館1F @カフェ (〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116)
[参加費]1,000円(実費)
[定員]約30名(先着順)
[参加条件]3日間通して参加できる方
[参加申し込み]京都芸術劇場チケットセンター(10:00〜17:00)
tel 075-791-8240 mail info@k-pac.org