地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


伸ばした薬指で半円を描く

2005年春夏のジュンヤ・ワタナベのコレクションを眺めていて、お金があるなら毎日ジュンヤ・ワタナベ服でいてもいいなあと思った。こういうテイストに弱い。そういえばコム デ ギャルソンに入社した友達が「彼が彼女に着てほしくない服NO.1」と言ってたのを思い出した。

フランスで大ヒットしたアニメーション『ベルヴィル・ランデブー(Les Triplettes de Belleville)』(シルヴァン・ショメ/2002/フランス、カナダ、ベルギー)がもうすぐ公開。フランスのオフィシャルサイトが面白い。大阪はいつかな。

映画『シベールの日曜日(Cybele ou les Dimanches de Ville d'Avray)』(セルジュ・ブールギニョン/1962/フランス)。ロリコンから熱烈な支持を受けているという映画。戦争によって過去の記憶を失い心の傷を負う30男と家族から見捨てられた12歳の少女の純愛。寒々しい冬の枯れ木と湖の風景はとても美しく、純情で無垢な二人にうっとり、と言いたいところだけど、ピエールはどう考えてもロリコンそのもの。少女はとてもかわいく映画自体はたいへん美しいけれど、どうもロリコンピエールにそこまで入れ込めなかった。

映画『シカゴ(Chicago)』(ロブ・マーシャル/2002/アメリカ)。大ヒットミュージカル映画。ミュージカルは楽しければそれで十分。

映画『月の砂漠(DESERT MOON)』(青山真治/2001/サンセントシネマワークス)。仙頭武則で佐藤公美で青山真治。崩壊した家族の再生。それぞれの人の心の根底にある理想、主義、期待、欲望、不安。家族とは役割分担が必要だという。しあわせは役割分担の上に成り立つという。家族として誰かと暮らす意味。消えた意味は意味でなくなりそこに残骸として残ったものは昇華しない。すべての音が無機質に、すべての風景が砂漠になる。

映画『日曜日が待ち遠しい!(Vivement Dimanche!)』(フランソワ・トリュフォー/1983/フランス)。トリュフォーの遺作。原作は『土曜を逃げろ』。タイトルが有名なだけにミステリー作品だったのが意外。ファニー・アルダンがかわいく見えた作品。

映画『隣の女(La Femme d'a Cote)』(フランソワ・トリュフォー/1981/フランス)。フランス人の愛だの恋だのにはしょーもなさがつきまとう。けれどそのしょーもなさを何か脱出していないと私は好きになれない。これが大人の恋愛傑作映画? ナイーブ文系オッサンのどうしようもない夢。ジェラール・ドパルデューをモテ男に仕立てるのも夢見がちすぎ。弱すぎ。

映画『永遠のマリア・カラス(CALLAS Forever)』(フランコ・ゼフィレッリ/2002/イタリア、フランス、イギリス、ルーマニア、スペイン)。ファニー・アルダン様!の映画て感じ。本物のマリア・カラスの映画出演はパゾリーニの『王女メディア』。『王女メディア』が見たくなった。

映画『夜霧の恋人たち(Baisers Voles)』(フランソワ・トリュフォー/1968/フランス)。トリュフォーの映画のなかでものすごくタイプじゃない側のひとつ。ジャン・ピエール・レオ本人がダメ男に思えてくる。

映画『終電車(Le Dernier Metro)』(フランソワ・トリュフォー/1981/フランス)。上に並べたトリュフォー作品の中で最も面白い。トリュフォーはたまに良い。映画内映画と同様、映画内舞台、というスタイルはトリュフォーぽい。『隣の女』(1981)と違ってジェラール・ドパルデューがとてもいい。若さを通り越した妖艶さを持つカトリーヌ・ドヌーヴが美しい。ナチ占領下の混乱のパリで女ひとり劇場を守る物語。後半、実はベルナールに恋してたの、夫の「妻は君に夢中だ」という展開には唐突で驚く(それまでドヌーブの視線で描かれているわけではないので)けれど、まあそういうちょっとおかしくない?みたいなのもトリュフォーぽい。トリュフォーの単なる恋愛劇よりこういった作品のほうが好き。とか書いててやっぱり単なる不倫モノという気がしてきた。