地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


江戸時代の食事くらいがよい

食べ物を扱う時代小説ばっかり読んでると、江戸時代の食事事情が垣間見られて楽しいです。


お江戸では朝に一日分のご飯を炊くけれど、大阪の商家ではお昼に一日分のご飯を炊き、野菜や魚を炊いたものと食べ、晩は茶漬けとお新香、翌朝は茶粥などでいただいたそうです。なんやかやと作りながら、家での食事ならそのくらいの食事でいいなあ、と本気で思います。

髙田郁祭2:『銀二貫』『晴れときどき涙雨 高田郁のできるまで』

髙田郁祭開催中。『あきない世傳』の3巻4巻はまだです。


『銀二貫』1巻で完結する、大坂天満の寒天問屋を舞台にしたお話。天神橋、天満橋大阪天満宮、どこが舞台になってるか想像しながら読める大阪時代物は楽しいなー

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大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、商人の厳しい躾と生活に耐えていく。料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、またもや大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す…。


『晴れときどき涙雨 高田郁のできるまで』はエッセイ集。『銀二貫』の和助と善次郎の名前の由来はそこなのね。エッセイを読んでるとやっぱりエッセイよりも物語が読みたくなります。


髙田郁祭:『みをつくし料理帖』(全10巻)+『みをつくし献立帖』(1巻) 、『出世花』(全2巻)、『あきない世傳』(1-2巻)

髙田郁をがんがん攻め中。読みやすい江戸モノ(あるいは大阪モノ)は楽しいなー。古地図付きにわくわくします。


みをつくし料理帖』は読む前にNHKドラマが終わったことを知り、キャストは誰だったんやろと調べてしまったので、脳内そのキャストで読んでしまいました。小野寺数馬が森山未來ていい…。結末がまだ見えず、小野寺数馬とやりとりのある5巻6巻目くらいがいちばん楽しかったです。微妙に具材は違えど、とろとろ茶碗蒸しとはてなの飯と忍び瓜を作ってみました(子どもに不人気/せっかくあがった母の料理モチベーション下がる)。


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神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大阪と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!



『出世花』は泣けた。「父母に十二の恩あり、一に十月在胎(とつきたいざい)の恩あり」から始まる仏説孝子経の引用にまんまと泣きました。


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不義密通の大罪を犯し、男と出奔した妻を討つため、矢萩源九郎は幼いお艶を連れて旅に出た。六年後、飢え凌ぎに毒草を食べてしまい、江戸近郊の下落合の青泉寺で行き倒れたふたり。源九郎は落命するも、一命をとりとめたお艶は、青泉寺の住職から「縁」という名をもらい、新たな人生を歩むことに――。青泉寺は死者の弔いを専門にする「墓寺」であった。真摯に死者を弔う人びとの姿に心打たれたお縁は、自らも湯灌場を手伝うようになる。悲境な運命を背負いながらも、真っ直ぐに自らの道を進む「縁」の成長を描いた、著者渾身のデビュー作、新版にて刊行!!



『あきない世傳』はまだ途中だけど、舞台は大阪だし幸が小気味よいしこれがなかなかおもしろくて楽しい。 続きが楽しみだなー


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物がさっぱり売れない享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸。父から、「商は詐なり」と教えられて育ったはずが、享保の大飢饉や家族との別離を経て、齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる。慣れない商家で「一生、鍋の底を磨いて過ごす」女衆でありながら、番頭・治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていく。果たして、商いは詐なのか。あるいは、ひとが生涯を賭けて歩むべき道か――大ベストセラー「みをつくし料理帖」の著者が贈る、商道を見据える新シリーズ、ついに開幕!

NHK Eテレ「テクネ 映像の教室」クリエイティブ・プロセス#3

「テクネ 映像の教室」クリエイティブ・プロセス#3。


"ストップモーションアニメ"枠で紹介されていた「John Lewis - The Bear & The Hare」が一見なにがストップモーションアニメなのかわからず、メイキング映像で動いてるアニメがくりぬいたアクリル板だと紹介されて、なかなか感動しました。すごい、そこ!そこがコマ撮り!


vimeo.com

John Lewis - The Bear & The Hare
Directed by Elliot Dear & Yves Geleyn



テクネ・トライ「ループ」(佐藤信介)。ひさしぶりに宮沢氷魚を見れました。


www.youtube.com

『POPEYE特別編集 本と映画のはなし。』 本も映画もなぜ定番はかわらない?

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コンビニでふとPOPEYEの『本と映画のはなし。』特集を買ってみました。回答者がほとんど同年代なせいか、既視感のあるセレクトぞろいで、学生の時に熱心に読んだ雑誌とかわりばえせず目新しさがほとんどない…… ゴダールオリヴェイラソクーロフにカサヴェテス、20年も30年もこのあたりを浮遊してる感じがします。ここを押さえた上での先、というか、突き抜け感がないのはなぜかなー。本に関しても家人が「見たことある本ばっかだなー」て言うてました。読者層は常にハタチ前後を想定して、もはや私たちは読者層ではないということなんやろか。


先日のログズギャラリーに胸が熱くなって、YouTubeシトロエン関連の音が出てきたりするけど、いやいやぜんぜん。ログズギャラリーは破格にカッコいいなと再確認しました。

ブリューゲル「バベルの塔」展とログズギャラリー「DELAY」@国立国際美術館

babel2017.jp


先週子どもたちを連れてブリューゲルバベルの塔」展に行き、本日金曜日の夜、ひとりでコレクションに展示されているログズギャラリー「DELAY_2008.10.15」を見に行きました。国立国際美術館続き。




開催期間、ログズギャラリーの映像インスタレーション作品は音量を制御して展示されているけど、毎週金曜日の午後8時10分から閉館時間の午後9時まで大音量で体験できるという魅惑の展示。夜間割引250円でログズギャラリーの大音量をひとりで聞く贅沢。カッコいいなー高揚しっぱなし。あっという間やー 高まった余韻を引きずりながら帰宅。

NHKドキュメント72時間 油壺エデンの園「海が見える老人ホーム」

ときどきの更新がドキュメント72時間になるのは、テレビの内容を反芻するからやなー


すこし前に「海が見える老人ホーム」という特集があって、(名前自体は番組では紹介されてないけど)全国から入居希望者が絶えない、神奈川県にある「油壺エデンの園」という巨大な介護付有料老人ホーム。平均年齢84歳、450人を超える入居者。オーシャンビューで余生を静かに暮らすひとたち。人生100年、幸せって何ですか?という内容。


www.nhk.or.jp



中身はホテルのような仕様。自立型ホームなのでマンションスタイルの各部屋があり、医療設備も整っています。自分の老後、自分の始末について、これはありやと思いました。でも入居にかなり高額な費用がかかるっていくらかかるんやろと思って公式HPを拝見。


・1人で入居 2,540万円~8,010万円
・2人で入居 4,080万円~9,550万円
※油壺エデンの園の場合


ここに毎月管理費やサービス利用料が発生することを考えるとたしかに高額。その高額なお金を支払って得られるものは心身ともに大きいんやろなと推測。宝くじがあたったら高級老人ホームの資金にしよう。

夏休みいろいろ

小学生ふたりの夏休みはフォローがいっぱい。お盆休みは帰省して、成長した甥や姪に会ったり、川で遊んだり、歴史探訪したりしてました。


武田信玄の軍師・山本勘助の墓。風林火山



今川義元の墓。ひっそりすぎて誰もいません。




京都、一条戻橋(いちじょうもどりばし)。にわか安倍晴明ファンの長女。




若かりし家人と来た以来の晴明神社。観光客がいっぱいすぎて驚き。




大阪城の内壕を約20分間で巡る観光船、大阪城御座船なるものに乗船。石垣が目の前です。期間限定。


NHKドキュメント72時間<再放送>『なぜか大宮 喫茶店は待っている』

都会のような地方のような埼玉・大宮駅近くにある24時間営業の喫茶店「伯爵邸」。骨董がならび、300のメニューはすべてデカ盛り。セレクトされた再放送なだけあって、この回は泣ける。


ある人は人生の困難に立ち向かっている最中、ある人はひとつ乗り越えたところ、休職中、アルバイト、独身、介護、こんなにも限定された空間で、訪れる人の数だけある人生。


スタッフを連れて「伯爵邸」にやってきた、ニューハーフクラブを経営する元キャバ嬢。気のよさそうなスタッフに囲まれて、自身の体験から「お金はありすぎるよりも、なさすぎるよりも、ほどほどが幸せ」と笑う彼女は27歳。生き急いでるとしても、27歳にしてそこにたどり着けた悟り。リアルな人生。

山岸凉子『日出処の天子』をはじめて読みました



山岸凉子日出処の天子』をはじめて読みました。家人所有のマンガでずっと家にあったんだけど、いま(この歳にして)ようやく手を付けました。聖徳太子の話だということだけ知ってて、まさかのBL、まさかのラストに衝撃を受けました……。


厩戸王子が、教科書に出てくるような十七条の憲法や冠位十二階なんかを制定する前の、聡明な少年時代から摂政になるまでの話。超能力のような力を持つ魅惑の美少年。蘇我毛人(蘇我蝦夷)を意識する厩戸王子。うじうじうじうじする厩戸王子と毛人。歴史的に割と忠実で、古代日本史ブームとしては鼻息が荒くなります。用明天皇(橘豊日天皇)と穴穂部間人皇女の皇子でどのような繋がりで蘇我系だったとか、泊瀬部皇子が崇峻天皇であるとか、するするーっと入ってくるので学生時代に読むとなお勉強になり、かつ萌えると思われます。厩戸王子が妻とした毛人の妹・刀自古の産んだのが山背大兄王。毛人と布都姫の間に産まれた入鹿が、その後山背大兄王を殺してしまうんだなーとか完全に山岸凉子の絵で想像できます。


用明天皇崇峻天皇推古天皇舒明天皇皇極天皇まで来たら、天智天皇天武天皇持統天皇文武天皇、と繋がっていくわけで、里中満智子『天上の虹』やん、と盛り上がります(ひとりで)。衝撃度としては抜群のマンガです。