地味な映画と地味な音楽が好き。
マノエル・デ・オリヴェイラ『世界の始まりへの旅』、
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』が好き。
文系家人と11歳と8歳の女の子2人、シャルトリューの男の子とひっそり暮らし中。


『セトウツミ』(大森立嗣/2016)

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池松壮亮菅田将暉主演。NHK菅田将暉のすべて」みたいな番組で撮影の一部を見て、見たいなーと思ってた映画。堺で撮影されたらしい、関西の高校生がぐだぐだしゃべってるだけのコント的な話。同じく菅田将暉主演『男子高校生の日常』(2013)も日常のぐだぐだ感がおもしろかったし、映画としてどうのこうのという枠を越えて気楽な映画はいいなー

池田理代子『女帝エカテリーナ』と横山光輝『平家語物』

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池田理代子女帝エカテリーナ』文庫版全3巻。帝政ロシアロマノフ王朝女帝エカテリーナ2世。ドイツの田舎貴族ながら意識の高いゾフィーが、ロシアの女帝になっていく歴史マンガ。幼い頃から胸に抱く野心とそれに見合う知性を身に着ける努力と勤勉、ロシアの血を一滴も持たない彼女がロシア皇帝の妃になり、ロシアの女帝になり、その政治手腕により領土拡大を進め、ロシアの教育システムを確立し、絵画や宝飾品を集めエミルタージュ美術館を創設するという、ロシア人よりロシア化しロシアに尽くしたパワー溢れる女性。そのうえ晩年までに途絶えることなく公認の愛人が10人も20人いたというその豪傑っぷり。


どんどん強くなってどんどん美しくなっていく様がなかなか愉快。


文庫版3巻程度ではぜんぜんおさまりきらないエカテリーナ2世の生涯。もうちょっと長さがあるともっと入り込めた気がする。『女王エリザベス』も同じく、もっと長くてどろどろしてたらきっとおもしかったのになー。


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横山光輝『平家語物』文庫版上中下の全3巻。これを読む前に横山光輝とは別の平家物語や清盛や義経の本を読んでいたりテレビを見たりしてたので、全3巻の印象は、敦盛最期のぐっとくるエピソードをあっさり1ページで終了したり、あわただしく進んでいく感じ。平家一門の栄枯盛衰をつかむダイジェスト的なマンガ。むふう。




横山光輝のあとがき。この素直な感想。こういうが先生のすてきなとこやなーと思いました。

一番苦労したのは名前である。みんな一字もらって名をつけているため似たような名前で、常に出てくる人物ならば覚えやすいのだが、たまに出てくると混乱する。清盛の兄弟は経盛、教盛、頼盛などがあり、子供に重盛、基盛、宗盛、知盛など、さらに孫には維盛、資盛と出てきては、途中でこれは弟か、子か、孫か、誰の子かと戸惑い、系図に目を通して確認しながら絵にしなければならなかった。

おしゃれ文化系フレンチトースト

おしゃれ文化に触れてない昨今、思い立っておしゃれ文化系フレンチトーストを食べに行きました。店頭予約受付時間に受付をして、そこからいったん家に戻ったものの、お店で小一時間待ち、さらに「フレンチトーストの焼き上がりに15分ほどいただきます~」というなかなかの苦行。おしゃれは時間がかかるのぅ。


(聞こえてくる話から)専門学生らしき女の子3人の「めっちゃおいしーー」「やばーい」という会話がまぶしい。


NHKドキュメント72時間<再放送>『青春の鴨川デルタ』

再放送してたドキュメント72時間「青春の鴨川デルタ」の回。「友達いないし」「バイトもしてないし」「京都の大学生らしいことってなんだろう」と鴨川デルタにただいるだけの時間を計測している同志社の大学生の男の子。彼のそういう感覚に懐かしさを感じつつひっぱられて、見終わってもわりと引きずってます。立ち止まる自由。

卒業式を中止した立教新座高校3年生諸君へ。(校長メッセージ) | 立教新座中学校・高等学校

GWは御在所ロープウェイ・さわやか・直虎の井伊谷へ

帰省ついでに鈴鹿スカイラインをくねくね御在所ロープウェイへ。くねくね道でハムコダウンしつつ、到着時には持ち直し無事御在所ロープウェイ。思ったより立派なロープウェイからの見晴しでした。




さらに道中、静岡のハンバーグレストラン「炭焼レストランさわやか」へ。実に学生時代ぶりという久しぶりの訪問。ぬかりなく開店前に予約記名。お昼過ぎに行って待ち時間なしで席に座ったけど、その時点でなんと4時間待ち。すごい人気ー!



みんなでげんこつハンバーグ。うまー。




大河ドラマおんな城主 直虎」のドラマ館で遊んで、井伊直虎が眠る龍潭寺で井伊家の歴代のお墓参り。ドラマ館も龍潭寺もすごいひとでした!大河ドラマ効果おそるべし。


里中満智子『長屋王残照記』

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めっちゃおもしろいです。里中満智子の日本古代史がおもしろすぎてたぶん自分史上はじめて日本古代史の興味が上昇中。口分田なつかしい。三世一身の法から墾田永年私財法の流れの公地公民の崩壊も、こんな楽しい気持ちで読んだことないわー。小学生か中学生の時に…!と思うものの、いま読んでるからよけいおもしろいのかもしれません。そもそも私、里中満智子をまともに読んでるのは先日ようやく22巻目まで読んだ『天上の虹』からな気がします。


長屋王残照記』は『天上の虹-持統天皇物語』を補完する関連作品。天武天皇の長男・高市皇子。その高市皇子御名部皇女の間に生まれたのが長屋王。父・高市皇子譲りで、誠実に生きる長屋王にふりかかる悲劇の物語。泣けます。


『天上の虹-持統天皇物語』後の物語ゆえに、氷高皇女の元正天皇姿や首皇子聖武天皇姿が見れるのは読者として盛り上がります。


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杉浦日向子『うつくしく、やさしく、おろかなり-私の惚れた「江戸」』

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江戸戯作の嚆矢と目される平賀源内は、人の一生を、「寐れば起(おき)、おきれば寐、喰ふて糞(はこ)して快美(きをやり)て、死ぬるまでが活きる命」(『痿陰隠逸伝(なえまらいんいつでん)』)と、情け容赦、アラレもなく、バッサリ一刀の下に、斬り捨てています。

眠れば夢に遊び、醒めては世知辛い現実に嘆息を繰り返し、にこにこ食べてはしかめ面で排便し、たまの夜には一瞬のはかない極楽を味わい、そんなこんなで、ふと死ぬる日まで、お目出度くも生きているよ。

これが、泰平の逸民を自負する、「江戸人」の眼差しです。

子どもの読む学習まんがの偉人伝は、寝る間を惜しんで勉学に励み、社会に貢献した立派な人が多いけど、続けて読んでるとちょっとしんどい。子どもの頃はそれでいいけど、いい大人になると、平賀源内のこんな人生観はなんと突き抜けた明るさで、うっとりくらくらしてしまいます。

小学4年生ミニチム:ナマイキおもしろい

すこし前に放送していた歴史秘話ヒストリア『ヤング家康 徳川四天王との絆』の録画をごろごろしながら子どもたちと観賞。「徳川四天王」の酒井忠次本多忠勝榊原康政井伊直政を紹介していく過程で、「井伊直政なかなか出てこないねー」て言ったらミニチム(小4)に間髪入れず「三方ヶ原の後っしょ」て返されました。わーすごいナマイキ!おもしろー! 記憶という点で子どもの吸収力はすごいなー

杉浦日向子『食・道・楽』より

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杉浦日向子最後のエッセイ集『食・道・楽』。そのなかの「色事は四十からがおもしろし」より抜粋。

だれもが平均寿命を生きられるわけではないが、いちおう、四十からは折り返し地点なのは確かだ。江戸では四十を「老いの坂」といい、ゆるゆる下る坂の入り口と見た。登りのときはしんどくて見えなかった景色も、しばし遥か遠くまで見渡せる時期でもある。
おたのしみはこれからだ。シジュウカラはおもしろい。


シジュウカラ、といい、40代で早逝した杉浦日向子を思うと泣ける文章で、ふと気づけば私もそういう時期なのでした。人生は長いようで短いのかも、と最近ひしひしと感じております。

藤原不比等

本音っぽいことを言われると、思わずほとんど本音を話してしまって、私ほんとに騙されやすいタイプだなーと最近よく自認しつつ反省しています。大人になると人間関係ややこしい。で、思い出すのが藤原不比等里中満智子『天上の虹―持統天皇物語』より)。藤原不比等のようにいかなるときも本音を隠す姿勢を見習いたい。だいぶ頭の中が持統天皇に……